教養試験について(1)

公務員試験では、一次試験で「一般教養試験」という筆記試験(マークシート方式による五肢択一)が実施されます。大学入試のセンター試験に相当します。

法務省

*国家公務員試験の場合、「基礎能力試験」という名称で呼んでいます。


〈教養試験の解説シリーズ〉


公務員試験の代名詞とも言えるこの教養試験ですが、なんといっても、

〈知識分野〉
  • 社会科学政治経済、社会)
  • 人文科学世界史日本史地理、思想・倫理、芸術、国語
  • 自然科学(数学、物理化学生物、地学)
〈知能分野〉
  • 数的処理判断推理数的推理、空間把握、資料解釈
  • 文章理解現代文、古文・漢文、英語

これだけの範囲をカバーするのには、多くの時間と集中力が必要です。
(特に赤字は2題以上の出題が予想されます。)

また高校での履修の関係で、一から対策を要するものもあります。(地歴公民や理科)

■出題数

教養試験の各教科の出題数(45問または50問中)のめやすは、
  • 社会科学:4~5問
  • 人文科学:7~9問
  • 自然科学:6~7問
  • 数的処理14~19問
  • 文章理解:7~12問
となっており(平成26年度地方公務員試験より)、出題量の1/3を占める数的処理の出来が合格不合格を決めると言っても過言ではありません。

なお出題数について、国家公務員の試験は45問、地方公務員は40、45、50など、自治体によって様々ですので確認しておきましょう。

◇◇◇

公務員試験は、一次合格がスタートラインです! スタートに立つために、最低でも教養7割適性5割は欲しいですね。特に競争率の激しいところは、+1割は必要と考えてもいいでしょう。

またこれと同時に、適性試験や論文試験への対策も行わなければいけません。

■数的処理とは?

百聞は一見に如かず、公務員試験の受験を考えている方は一度解いてみましょう。
実際の過去問題を紹介していますので、出題の様式も知ることができますよ。

〈判断推理〉
H26 国家一般職(高卒程度)/税務職員採用試験

〈数的推理〉
H25 東京特別区Ⅲ類採用試験

〈解答〉
判断推理 → 
数的推理 → 

解説は下記を参照。

◇◇◇

数的処理は、〈判断推理〉、〈数的推理〉、〈空間把握〉、〈資料解釈〉の4つで構成され、判断推理と数的推理が数的処理の中心を占めます。


出題量のめやす
【判:数:空:資=7:5:0:2】

(試験・年度によって変動します)


この教養試験で最も難しい、苦手とされる数的処理ですが、数的推理は主に中学・高校数学(ⅠA・B)の基礎が出来ていれば問題ありません(数学Bは数列のみ必要)。

判断推理は、数学Ⅰでカバーできる「集合」と「命題と対偶」以外は、出題パターンを覚える必要があります。

空間把握は東京都や特別区で3~5問が出題されます。その他では0問または1問程度の出題です。

この教科は、何度も(同じ問題の)演習を繰り返すのが定石です。


〈解説〉
対偶をとり、ド・モルガンの法則を用いれば終わりです。
判断推理の解説



方程式を立てるだけ、単純です。
数的推理の解説