教養試験について(3)

今回は受験生の味方!得点源の「社会科学」について。
はじめての方はこちらから。

農林水産省



(3)~(5)では教養試験の、いわゆる「知識分野」についてお話します。
*対策方法については別に書く予定です。

■社会科学とは?

社会科学は、〈政治〉、〈経済〉、〈社会〉の3つの教科で構成されています(ひっくるめて公民とも)。
しかしその実態は〈現代社会〉なみの薄さで、事実上、現代社会と思って間違いありません。

1教科で5点は大きいですね!


出題量のめやす
【政:経:社=2:2:1】

(試験・年度によって変動します)


〈政治〉
憲法に基づく問題が出題されるため、ある程度憲法を把握しておく必要があります。

また、見落としがちである地方自治も頻出です。

大体2~3問が出題されます。
H11 地方初級程度

解答 → 

解説は下記を参照。


〈経済〉
D-S曲線(Demand:需要、Supply:供給)は頻出です。

こちらも2問程度が出題されます。
また戦後経済は、世界史・日本史と一部被ることがあります。
H11 地方初級程度

解答 → 

解説は下記を参照。


〈社会〉
青年倫理、国際課題、時事ネタから1~2問出題です。

今年度はアベノミクスが出題されました。(法人税減税について)
時事ネタは問題制作の関係から、半年以上前~のものが出るようです。

また頻出の環境問題は、地学と被ることがあります。


◇◇◇

知識分野は問題がパターン化しているので、例えば章ごとに過去問を解く、といったスタイルがおすすめです。

ただし、パターン化していると言って古い問題集を選んだ場合、法律が改正されていたり、用語・データが変わっている可能性があるので、そういった資料を使う場合は、最大3年を目安に使うといいでしょう。
(古いものでは、地方自治を例として、自治体を国の機関として扱う「機関委任事務」といった死語が使われていました。)

初級程度では、そんなに難しい問題は出ませんが、もし時間に余裕があれば各自治体の自治基本条例程度は読んでおくといいかもしれません。


〈解説〉
政治問題の解説

わかりやすく言うと、

1)最高裁判所長官の指名→内閣、任命→天皇(形式上)
天皇が内閣の指名した長官の任命を拒否することはありません(できません)。

最高裁判所の裁判官については、内閣が任命し、天皇が認証します。

2)裁判官の罷免(の方法)は、
 ①心身の故障
 ②国会に設置される弾劾裁判所で罷免の判決を受ける
 ③国民審査で過半数の罷免票が入る(最高裁判所の裁判官のみ)
の3つしかありません。

なお、下級裁判所裁判官の人事権は最高裁判所が握っています。
ただしクビ(=罷免)にすることはできません。

3)最高裁判所が下級裁判所の裁判に直接介入することはありません。

5)その法令が適用される訴えがあって、初めてその法令の合憲性を審査(法令審査)できます。
具体的な訴訟事件とは無関係に、法令の合憲性を審査することはできません。

また原則として、その訴えにのみ違憲性が適用されます。すぐにその法令が違憲となるわけではありません。

この違憲審査権が適用された例としては、薬事法の距離制限規定や郵便法事件などが挙げられます。


経済問題の解説