論文試験について

二次試験で、面接とともに課されることが多いこの試験ですが、初級程度ですと、論文試験というよりは作文試験と考えて間違いありません。

みなとみらい21


作文対策としては、添削指導→検討・書き直しが一般的でしょう。国家(人事院)や多くの自治体が過去3年分程度のテーマを公開しているため、独学でも不可能ではありませんが、少しでも作文に自信がない人は、“添削指導”は絶対に受けましょう


■過去のテーマ

国家Ⅲ種(600字/50分)
  • H27年度:目標を立ててチャレンジしたこと
  • H26年度:人と人との助け合いについて思うこと
  • H25年度:社会の一員として働くということ

東京都(600~1000字/80分)
  • H27年度:「世界一の都市・東京」を目指すために私がやってみたいこと
  • H26年度:私が都民のために努力したいこと
  • H25年度:私が考えるこれからの東京の魅力

さいたま市(800~1000字/80分)
  • H27年度:これまで経験したことや仲間と協力したことで印象に残っていること
  • H26年度:さいたま市は、「日本一幸せを実感できるまち」を目指していますが、あなたが考える市民の幸せとはどのようなものか述べなさい。
  • H25年度:公務員を目指すにあたって、あなたが今一番心掛けていることについて述べなさい。

◯◯字以上の指定があれば、上限はおおよそ+100~200字程度です。1000字以上を要するところは、多くが1200字(400字×3頁)を上限としているようです。


■国家一般職(国家Ⅲ種)

*900点満点とした場合
【一次試験】
  • 基礎能力試験:400点
  • 適性試験(事務適性):200点

【二次試験】
  • 作文試験:100点
  • 人物試験:200点

点数だけで見ると、国家公務員試験は作文試験の重要性は低いように見えますが、人事院発表の「合格者の決定方法」(H27年度版・PDF)では
第1次試験合格者のうち、作文試験(事務区分のみ)において基準点以上であり、かつ、人物試験においてA~Cの評価である者について、第1次試験を含むすべての試験種目の標準点を合計した得点に基づいて最終合格者を決定します。

とあるため、これに引っ掛かると(二次試験の)合格は厳しいでしょう。一次試験の点数が後々尾を引っ張るところは、国家公務員試験の特徴とも言えますね。


■一般事務(地方初級)

警察事務・学校事務も、ほとんどの地域で同様です。

Ⅱ類・名古屋市行政一般職員(H27年度)
(出典:H27年度名古屋市職員採用試験案内(第2類・免許資格職)

【一次試験】
  • 教養試験:600点

【二次試験】
  • 作文試験(※一次試験日に実施):600点
  • 口述試験(個別面接):1800点

初級・千葉県一般行政職員・(H27年度)
(出典:H27年度千葉県職員採用初級試験等受験案内

【一次試験】
  • 教養試験:100点

【二次試験】
  • 作文試験(※一次試験日に実施):100点
  • 人物試験(性格適性、個別面接):400点

地方は国家と対照的に、二次試験、特に人物試験を重視している傾向があり、国家と同様に作文試験は足切りのためのものと考えて良いでしょう


■特別区など一部自治体の場合

東京特別区など一部自治体では、作文が一次試験で評価対象になっており、評価割合は公表されていないため推測の域を出ませんが、教養試験と同等程度の評価が行われる可能性があります。このため、これらの試験地の受験を考えている人は早期からの対策が必要です。